45歳のサラリーマンがスポーツジムに通ってみた

私は大手旅行会社に勤務する45歳の平凡なサラリーマンです。ここ数年、運動不足の日々が続き、暴飲暴食はしていないのですが、体型はどんどんメタボになっていました。そして、半年前の定期健康診断の際に、とうとうウエストが85センチを超えてしまったのです。

私は産業医の指導のもとにスポーツジムに通うことにしました。

激しい運動が良いわけではない

私が勤務する会社では、指定のスポーツジムを福利厚生で安く利用できるのです。私はその福利厚生を活用して、スポーツジムに入会しました。会社の同僚には、40代なのに「なぜそこまで激しい運動をするの…」と言いたくなるくらいトレーニングに没頭している人がいます。

確かに、健康維持のためにスポーツジム通いが良いのは間違いありません。しかし、産業医からは、「トレーニングはやればやるほど良いわけではありませんよ」と言われました。産業医の話によると、これまでほとんど運動してこなかった中高年が急にトレーニングをやり過ぎると、筋肉を痛めてしまう上に、仕事に支障が出るくらい体力を消耗し、男性ホルモンが低下してしまうそうなのです。

男性ホルモンについて学んだ

産業医から教わったのは、トレーニングで筋肉を使うと、たくさんの「テストステロン」が消費されるとともに、激しいトレーニングでストレスを感じ、副腎からは「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンが分泌されるということです。

テストステロンとは、男性ホルモンの一種で、「最も有名な男性ホルモン」と言われています。筋肉ムキムキで男らしい体型を保っている人は、テストステロンがバンバン分泌されている証拠です。逆に、加齢とともにテストステロンの分泌量が減少すると、筋力が低下し、体脂肪率が増加しやすい体質になってしまいます。

すると、テストステロンとコルチゾールの双方の原料である「デヒドロエピアンドステロン」が、コルチゾールの生成を優先させてしまいます。デヒドロエピアンドステロンとは、別名「老化を遅らせるホルモン」と呼ばれていて、体内にあるほとんどの器官の機能を高めてくれている万能ホルモンです。

そして、デヒドロエピアンドステロンがコルチゾールの分泌に傾くことで、体内のテストステロンの生成量がどんどん減少してしまいます。

ランニングで気をつけたこと

スポーツジムのトレーニングで注意しなければならないのが、ランニングです。ランニングは簡単にできるので、運動不足を手軽に解消したい人に人気のトレーニングメニューですが、急に激しく走ると、著しくテストステロンが減少するそうです。

しかも、場合によっては、回復させるまでに1か月以上かかることもあります。しかも、テストステロンが完全に回復する前に、再び激しいランニングをしてしまうと、さらにテストステロンが減少し、その回復には3か月以上も要するケースがあるそうです。

「男の更年期」と言われる症状がありますが、それはテストステロンの減少が原因でLOH症候群になっているのかもしれません。私は軽いランニングを心がけ、最長でも50分で終えることにしました。その程度のトレーニングなら週に4回やっても負担になりませんでしたし、運動不足の解消にとても効果がありました。

早く痩せたくて、つい長時間走りたい気分になることもありますが、トレーニングを長続きさせることが重要なので、あまり頑張りすぎないように気をつけています。スポーツジムのスタッフのなかには、フルマラソンに挑戦した人もいましたが、大会前の1か月以内に累計で100キロ以上走るトレーニングをすると、100キロ以下のときと比べて記録が伸びなかったそうです。

少ないランニング量で、いかに好記録を出すかがマラソンの難しいところですね。

自宅でもトレーニング

また、ランニングなどのトレーニングは有酸素運動と呼ばれ、筋力トレーニングは無酸素運動に分類されます。メタボを解消するには、有酸素運動と無酸素運動の割合を半分ずつくらいにするのが、効果的だそうです。しかし、実際にスポーツジムで有酸素運動と無酸素運動をバランス良く行うことは、容易ではありませんでした。

もともと私は、これといって運動が好きなわけではなかったからです。そこで私は、筋力トレーニングはわりと短時間でできるため、自宅でするようにしました。ちょっとした時間をみつけてスクワットをすることにしたのです。

トレーナーからスポーツジムでの無酸素運動をすすめられたので、私は「毎日、スクワットを自宅でしています」と言いました。すると、「スクワットだと、筋力トレーニングになっているのは下半身だけなので、バランスの良いトレーニングという観点からは外れてしまいます」と言われてしまいました。

健康的に痩せるには、胸筋や腹筋などの上半身の筋肉も鍛える必要があるそうです。私はすぐに、普段のスクワットにプラスして腹筋、背筋、腕立てもするようにしました。今では、日常生活であまり使わない筋肉が鍛えられていることを実感でき、バランス良く全身に筋肉がついています。

「スポーツジムに通ってポジティブ思考に!」

痛みを感じたら無理しない

有酸素運動と同様に、筋力トレーニングでも注意しなければならないのが、やり過ぎないことです。筋肉からもテストステロンが分泌されているので、その筋肉に強い刺激を与え続けると、トレーニングの効果が半減してしまいます。

加齢とともに筋肉痛の症状が出るのが遅くなりましたが、もし筋力トレーニングの翌日に体が痛くなるようでは、運動のし過ぎに該当するそうです。これが私にとって、本当に良い目安になりました。筋肉痛を感じたときは、思い切って自宅でのトレーニングをしないことにしたのです。

すると、ホルモンのバランスが良くなっていくことを実感できました。筋肉は鍛えるだけでなく、休ませることも重要であることを学びました。スポーツジムに通い始めて6か月がたち、おかげさまでウエストは80センチを下回りました。

今では、トレーニングメニューだけでなく、食事メニューにも気をつかっています。炭水化物が中心だった食生活を改め、タンパク質を意識して摂取するようにしました。そして、豆腐や納豆などの大豆製品をたくさん食べています。

もちろん野菜もしっかり摂取しています。健康診断でメタボだと診断されたことで、かえって良質な生活習慣を身につけることができました。